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はじめて遍路に行く前のよく寄せられる疑問・質問にお答え致します。





お遍路にはいつごろ発つのがいい?

遍路にはこれと決まった日取りや時期はありません。88ヶ所の札所は基本的に無休です。また、納経所の開館時間は7時〜17時となっていて、遍路は日の出から日の入りまでで行うことが基本とされています。遍路が多くなる時期は春・秋・弘法大師の命日3月21日前後で、気候が良く遍路に適した時期である反面、札所の納経所では順番待ちで待たされることもあります。冬はもっとも遍路が少なく一部の宿泊施設では休業するところもあります。山間部の札所では降雪に対する注意も必要になります。





お遍路にかかる日数は?

歩き遍路の場合、約50日前後が平均的な日数とされています。もちろん巡礼者の体力やコースにより差はあるので、余裕をもって計画を立てたいものです。一日に歩ける距離の平均は3〜50キロぐらいとされていますが、途中、納経所が混んだり、ひざが痛くなったりとなかなか計画通りには進みません。ゆとりをもって出発して下さい。





徒歩以外の交通機関を利用してもよいか?

遍路はお心。自身にあった遍路をしてみて下さい。現代の遍路は車やバイク、自転車と様々です。賛否両論はあるようですが、地元の方やお寺にマナーと礼節をもって接することがなによりも大切ではないでしょうか。ご自身の事情にあった遍路の形を見つけてください。





真言宗徒でないが、遍路にいってもいいの?

信徒以外でも巡礼しても問題ありません。遍路は社寺を巡ることで功徳を積むという素朴な信仰です。目的は人それぞれで、真言宗の行として、弘法大師に近づこうという方はもちろん、健康祈願や先祖供養、家内安全などなど遍路を廻る人々の目的は様々、ご自身なりの遍路をしてみて下さい。とはいえ、社寺を巡る以上、敬意と作法は心がけたいものです。遍路が単なるスタンプラリーにならないためにも、最低限の礼拝作法は知っておきたいものです。







服装に決まりはあるの?

遍路というと白装束姿を思い浮かべる方も多いはず、とはいえ、必ず白装束を着なければいけないという決まりではなく、これは昔からの慣例により着用されているものです。その昔、遍路はその道中の厳しさから途中で行き倒れ果てる人も多く、そのゆえ人々は常に死出衣装である白装束を着ていてといわれています。遍路はお心、なるほど現代のお遍路さんはジーンズにスニーカー、帽子にサックと実に様々、とはいえ白衣まとうだけで、地元の方や、お遍路さん同士の交流がぐっとスムーズになり、気持ちもうんと引き締まります。杖と白衣だけでもいいのです。是非、遍路支度をそろえてみて下さい。遍路用品は札所やその周辺の店で購入できます。







遍路に必要な道具は?

以下は基本的な最小限の装備です。必ず全てを揃えるという決まりではありません。最近ではジーンズ、Tシャツに金剛杖だけの遍路さんもいらっしゃいます。遍路はお心、ご自身にあった遍路をしてみて下さい。とはいえ、社寺を巡る以上は仏道への礼節を心がけたいものです。

・金剛杖弘法大師が宿るとされ、「同行二人(遍路は大師さまと二人連れ)」の象徴。
・白衣現在、遍路の定番衣装として着用されている。
・経本般若心経など遍路の際、札所での参拝に必要なお経が書かれたの本。四国霊場専用。
・輪袈裟現在、遍路の定番衣装。白衣の上にはおる。仏事・巡礼の際の略礼服。
・納め札札所での参拝の際、納札箱に納める。接待を受けた時にもお渡しする。
・納経帳札所での参拝の際、納経所にて墨書き・ご宝印をいただく。札所参拝の証。
・菅笠現在、遍路の定番衣装。
・ろうそく札所での参拝の際、灯明をあげる。奥のほうから立てるのが礼儀。
・線香札所での参拝の際、線香をあげる。「三密」を表す3本が基本。


主な遍路道具・用品は以下のとおりです。札所内やその周辺で購入できますし、最近では仏具店・ウォーキングコーナーで取り扱っている所もあります。1万円〜でそろえられます。





お遍路で利用する宿泊施設は?

札所の周辺、遍路道沿いに宿泊施設が点在し多くの遍路がこれを利用しています。お遍路で利用する宿泊施設に大きく分けて以下の通りです。宿坊/6300円〜7000円、民宿/6000円〜7500円、ビジネスホテル/3500〜7000円、旅館/6500円〜20000円以上、善根宿/無料。宿泊費は基本的に一泊二食のものですが、ビジネスホテルでは食事なしのところもあるので確認が必要です。宿坊は各寺院が経営している宿で、基本的には他の宿とはかわりないですが、朝夕のお勤めなどがあり、説法を受けることができます。いずれも混み合うシーズンでは予約されることをお勧めします。又、善根宿とは地元の方が自宅などに遍路を泊めてくださる接待の形です。利用の際は礼節と感謝を心がけましょう。





お遍路でかかるお金はどれくらい?

お遍路にかかる総費用は、大まかに、宿泊費・遍路用具費・飲食費・交通費(自宅〜四国〜高野山間)等が主なものです。(利用する宿泊施設によっては大きく費用が変わってきます。以下は宿泊費6750円で算出しています。)

 ■ 50日間で歩いた場合

・遍路用具 …20,000 円
・宿泊費 … 344,250 円(1泊2食・6750円×51日)
・飲食費 …61,200 円(昼食費・飲料費等×51日)
・納経料 …35,600 円(納経料300円+お賽銭×89)

 合計461,050 円

以上が最低限のおおまかな総算出です。自宅からの往復交通費・ランドリー費などの雑費等は計算にはいれておりませんので準備の際はご考慮下さい。
 途中、ATM等で下ろしつつ廻ることをお勧めします。最近では銀行ATMも増え、便利になりましたが、やはり郵便は各地に点在し確実です。





普段、運動してませんが遍路はできますか?

遍路は全長1200kmの長い道のりです。また、標高900mの雲辺をはじめ大変アップダウンの多い道のりでもあります。不十分な体力で遍路に望まれれば、ひざ・腰に障害を引き起こしてしまいます。十分に体力・筋力をつけた上で遍路にのぞんで下さい。また、ひざ・腰の状態が良くない方も時期の延期をお勧めします。