お遍路では札所を巡る順番に決まりはありません。お遍路で札所にお参りすることを「打つ」といい、四国を時計まわりに巡ることを「順打ち」、反時計まわりに巡ることを「逆打ち」といいます。
一般的には「順打ち」が基本とされていますが、「逆打ち」の方が功徳が大きいとされています。その理由としては、弘法大師が順打ちで四国を巡っていることから、逆打ちのほうが大師に出会いやすいということ、へんろ道が順打ちを基本として作られている為、逆打ちのほうが巡礼することが難しいとされている為です。実際にへんろ道では案内板や道しるべが順打ちを基本に設置されている為、逆打ちは初心者の方には巡りにくいです。
「打つ」の語源は、以前、お寺を参拝した際に巡礼者が柱や壁に木製・銅製の納札を打ち付けていたことに由来しています。
また、88ヶ所の札所を日にちを分けて巡ることを「区切り打ち」といいます。これは88ヶ所の札所を一度に巡らず、数回に分け四国を訪れて巡る方法で、近年になって多く広まったようです。
その他に、県ごとに区切って巡ることを「一国参り」といい、明治期に土佐の国(高知)で遍路の規制がなされた際などには、土佐を抜いた三県で「三国参り」として遍路が行われた事などもありました。